メッシーナから東に伸びる海岸のどこかで、目的地に行く前に宿泊する必要があった。
宿泊先の条件は、
蜜を避けるため小さな町、
駅と海から近い、
キッチン付き。
学生時代に滞在したタオルミナ以外、聞いたことない町ばかりが並ぶ海岸線。
町情報も全くないので、Googleマップに表示される宿泊施設情報だけを頼りに、
当てずっぽうに選ぶことにした。
10月というオフシーズン、更にコロナ禍ということで、
とってもお得な価格で出てくる。
その中で、バルコニーからの素晴らしい見晴らしが気に入った、
破格の27ユーロ/一泊というキッチン付きマンションに決めた。
このご時世でも、Airbnbが機能していることは、非常にありがたい。
人口4000人ほどの町。
マンションに到着後、買い出しに出かけ、辺りを散策。
まず目についた、ローカルワイン量り売りのお店。
CiroとNero d’Avolaくらいしか知らないシチリアワイン。
色々あって迷ったので、真ん中の値段の13度の赤ワインを購入。
(お店に並んでいた、シチリアのワイン、ラベルが美しい。)
地産のものを探そうとスーパーへ足を運ぶも、
ほとんどが、どこでも手に入る見たことがある品物ばかり。
朝食用に、数少ない地産品、カクタスペアーと、
オリーブ、チーズ、パンを買って、そのまま海へ。
長かった森での暮らし、海が、潮風が恋しかった。
裸足になり、水に足をつける。
同じ南部でも、断然暖かいシチリア島。
風はなく、穏やかな海、遠くの本土でこぼれ光る、オレンジ色のライトの帯を見ながら、
黒い砂浜で夜のピクニック。
帰り道にあった、ロスティッチェリア(総菜店・デリカデッセン)のメニューに惹かれて立ち寄る。
お目当ては、シチリア本場のアランチーニ(ライスコロッケ)。
中の具材を聞いて、定番のMelenzane(茄子)と、初めて出会うPistacchio(ピスタチオ)を選んだ。
ピスタチオの産地であるシチリア。
ピッツァのソースやトッピングに、時にはコルネッティ(朝食のクロワッサン)の中に、ペーストのベースにと、使われ方も様々。
アラブ・アフリカの影響を受け、独特で非常に豊かな食文化を持つシチリア。
以前、シチリア出身の友人が、
シチリアから持ってきた粉で、一から精進クスクスを作ってくれた。
(その時の写真)
10分程度で調理できる市販のクスクスしか知らなかった私、
この時、初めて、クスクスは、手作りするものだということを知った。
少量の粉に少量の水を入れて、クスクスを作ってゆき、
それを、これまた彼女が持参したクスクス鍋で、丁字などのスパイスと一緒に、2時間ほど蒸す。
その間に、ひよこ豆と野菜のスープ作り。
コトコト煮詰めていって、煮詰まったスープを蒸しあがったクスクスに染ませ、具を添えて食べる。
クスクスという、アフリカ・アラブのお料理が、時を経てシチリア家庭料理となり、
手間暇かける御馳走として、行事の時にも作られるとのこと。
久しぶりに口にしたワインと、移動の疲れもあって、ぐっすり就寝。
気持ちよく目覚めた翌日、
これから海に昇る朝日をバルコニーから鑑賞する。
空に広がる、秋の澄んだ青。
いつもと違う風景を
いつもと同じように過ごすのが、
私の贅沢な旅時間。
旅は、心の栄養。
#コロナ時代の旅 #シチリアワイン #ピスタチオ #本場クスクスレシピ
リアルに生きる喜び、リアルな生きる歓び
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