

”ここは、俺のテリトリーやから”
急な山の斜面を
白杖をもって、歩き出す。
小石とは呼べない石たちは、
私も、何処に足を置くか注意しなければいけない大きさであるにもかかわらず、
つまづくこともなく、
ラスタヘアーを揺らせながら、
勢いよく登ってゆく彼の背中に、
ついてゆくのがやっとだ。
何処にどんな石があるのか知っている
場所を知り尽くしている意味で、
使われることがあるイタリア語表現。
彼は足取りは、不思議なほど、
道を知りつくしているかのように、
安定していた。
300人ほどが集まる、
山でのお祭り。
到着早々、
ジャムセッションに加わる。
彼のラスタリズムがさく裂。
ジャマイカ訛りの英語が爆発。
ジャマイカ人のソウルをもって生まれた
白い肌のイタリア人。
心ゆくまで、ジャムを楽しんだ後、
訛りのある私のイタリア語に、興味を持った彼が、
何処から来たのかと尋ねる。
私の答えに、やや驚いた様子の彼。
”だって、ロシア人みたいな訛りがあるから・・・”
彼の世界の中で、
私は、長身で金髪、青い目、
背伸びできたかのようで、ちょっと嬉しかった。
誰かが、早朝から、バスケット5つ、
山ほど摘んできた自生ブルーベリー
を配りにやってくる。
片手一杯にほおばった、ブルーベリー。
まだまだたくさんあるから、もっと食べて
おかわりしてほおばった、ブルーベリー。
白い杖と、
ラスタカラーと
濃紺の朝ごはん。
自然と音楽と人に会いにゆくことが多かった
ガイドブックにない旅。
ここ数年、一所に留まっている、放浪魂。
久しぶりに、揺さぶってみたくなった。
🌟読んだよ~🌟
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