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✨持続可能な関係

チェルノブイリの匂い

鉄パイプの2段ベッドが所狭しと並ぶ、30人ドミトリーに暮らすウクライナ人女性。

そこに入ると、いつも独特のにおいがした。

同僚は、放射線被爆治療の副作用による匂いだと言っていた。

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当時私は、少しでもいい仕事を生活を求め、イタリアにやってくるウクライナ人が集まる所で、働いていた。

若者もいたが、多かったのは、中年女性。

右も左もわからず、一言のイタリア語も知らず、
先にイタリアに来た知人などを頼りに、
鞄ひとつでやってくる。

学歴を持つ人、医療に携わっていた人、教育に携わっていた人もいた。
 
当時は、移民法がまだ緩く、
市場で物を売る者、
年老いた人の付き添い・世話をする者、
ただ生活の安定を求めてイタリア人と結婚する者、
売春婦となる者、

表・裏の手を使って、皆、命綱である滞在許可証を手に入れていた。


彼らが集まる広場があった。

隣のベンチに座ったロシア系中年女性が、顔見知りだと思われる物売りのセネガル人に話しかけている。

”肌の色は違っても、結局皆同じ人間なんよ。”



20年以上前の話。

あの匂いが本当に副作用によるものだったのか、今となっては真相はわからない。

ただ、この日になると、あの匂いのことを思い出す。


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#35年目のチェルノブイリ #イタリアのウクライナ人
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